塩水噴霧試験/粒界腐食/X線応力測定
バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”g)ばね試験・検査”に分類されている用語のうち、『塩水噴霧試験』、『粒界腐食』、『X線応力測定』のJIS規格における定義その他について。
コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”g)ばね試験・検査”に分類されているバネ用語には、以下の、『塩水噴霧試験』、『粒界腐食』、『X線応力測定』などの用語が定義されています。
ばね用語(JIS B 0103)
⇒【g)ばね試験・検査】
分類: ばね用語 > g)ばね試験・検査
番号: 7241
用語: 塩水噴霧試験(※1)
定義:
5%塩化ナトリウム水溶液を 35℃に保って噴霧させた試験装置内へ試験片又はばねを静置して、さび(※2)、膨れ(※3)などの発生状況を調べる試験。
めっき、塗膜装などの表面処理を施したもの、ステンレス鋼などに用いられる。
備考:
JIS G 0202 参照。
対応英語(参考):
salt spray testing
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > g)ばね試験・検査
番号: 7242
用語: 粒界腐食
定義:
金属の結晶粒界に選択的に生じる腐食。
備考:
JIS Z 0103 参照。(※4)
対応英語(参考):
intergranuler corrosion
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > g)ばね試験・検査
番号: 7310
用語: X線応力測定
定義:
X線回折の原理を用いて行う残留応力の測定。
備考:
ばねの代表的な例としては、ショットピーニングに(※5)よる圧縮残留応力(※6)の測定があげられる。
対応英語(参考):
X-ray stress measuring
慣用句(参考):
−
(※1)
塩水噴霧試験に関連するJIS規格には、以下などがあります。
JIS C 60068-2-11
環境試験方法(電気・電子)塩水噴霧試験方法
JIS Z 2371
塩水噴霧試験方法
(※2)
さびとは、普通には、鉄表面に生成する水酸化物又は酸化物を主体とする化合物のことです。
広義には、金属表面にできる腐食生成物をいいます。
(※3)
膨れとは、めっき層又は塗膜(塗膜とは、塗られた塗料が乾燥してできた固体皮膜)の一部が、素地又は下地層と密着しないで浮いている状態のことです。
(※4)
JIS Z 0103 は、以下のJIS規格になります。
JIS Z 0103
防せい防食用語
この規格では、金属の防錆技術工業(防せい技術工業)において用いられる主な用語と、その読み方及び定義について規定されています。
(※5)
ショットピーニングとは、ショット(鋼球など)をバネ表面に高速で打ち付け、主として表面層に圧縮残留応力を生じさせ、疲れ強さを向上させるために行う加工のことです。
(※6)
圧縮残留応力とは、ばねにショットピーニングなどを施すことによって、表面層は若干の加工硬化とともに表面層だけが展延され、これに起因して生じる圧縮の残留応力のことです。