渦流探傷試験/浸透探傷試験/磁粉探傷試験/ねじり試験
バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”g)ばね試験・検査”に分類されている用語のうち、『渦流探傷試験』、『浸透探傷試験』、『磁粉探傷試験』、『ねじり試験』のJIS規格における定義その他について。
コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”g)ばね試験・検査”に分類されているバネ用語には、以下の、『渦流探傷試験』、『浸透探傷試験』、『磁粉探傷試験』、『ねじり試験』などの用語が定義されています。
ばね用語(JIS B 0103)
⇒【g)ばね試験・検査】
分類: ばね用語 > g)ばね試験・検査
番号: 7321
用語: 渦流探傷試験(※1)
定義:
コイルを用いて、電気的導体であるばね材料又はバネへ時間的に変化する磁場(交流など)を与え、それに生じた渦電流が、欠陥によって変化するのを検出する非破壊試験方法。
電磁誘導探傷試験ともいう。
備考:
JIS G 0202 参照。(※2)
対応英語(参考):
eddy current testing,
electromagnetic testing
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > g)ばね試験・検査
番号: 7322
用語: 浸透探傷試験(※3)
定義:
ばね材料、バネなどの試験体表面に、開口しているきずに浸透液を浸透させた後、拡大した像の指示模様としてきずを観察する非破壊試験方法。
染色浸透探傷試験及び蛍光浸透探傷試験がある。
備考:
JIS G 0202 参照。(※2)
対応英語(参考):
liquid penetrant testing
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > g)ばね試験・検査
番号: 7323
用語: 磁粉探傷試験(※4)
定義:
鉄鋼材料を用いたばねなどの強磁性体を磁化し、欠陥部に生じた磁極による磁粉の付着を利用して、欠陥を検出する非破壊試験方法。
備考:
JIS G 0202 参照。(※2)
対応英語(参考):
magnetic particle testing
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > g)ばね試験・検査
番号: 7330
用語: ねじり試験
定義:
ねじりコイルばね(※5)、トーションバー(※6)、ばね座金(※7)類などの変形又は破壊の状況を調べる試験。
備考:
ばね座金類では、粘り強さ試験ともいう。
対応英語(参考):
twist test,
toughness test
慣用句(参考):
−
(※1)
渦流探傷試験に関連するJIS規格には、以下などがあります。
JIS G 0568
鋼の貫通コイル法による渦流探傷試験方法
この規格では、鋼線、線材、丸棒鋼(直径2〜100mm)及び鋼管(外径4〜180mm)に存在する割れ又はその他のきずがある場合、これを検出することを目的とする渦流探傷試験方法のうち、貫通コイルを用いる方法の一般事項について規定されています。
(※2)
JIS G 0202 は、以下のJIS規格になります。
JIS G 0202
鉄鋼用語(試験)
この規格の詳細については、以下を参照ください。
鉄鋼用語-鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等
(※3)
浸透探傷試験に関連するJIS規格には、以下などがあります。
JIS W 0904
航空宇宙用機器の浸透探傷検査方法
JIS Z 2323
非破壊試験―浸透探傷試験及び磁粉探傷試験―観察条件
JIS Z 2340
目視基準ゲージを用いた浸透探傷試験及び磁粉探傷試験の目視観察条件の確認方法
JIS Z 2343-1
非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
JIS Z 2343-2
非破壊試験―浸透探傷試験―第2部:浸透探傷剤の試験
JIS Z 2343-3
非破壊試験―浸透探傷試験―第3部:対比試験片
JIS Z 2343-4
非破壊試験―浸透探傷試験―第4部:装置
(※4)
磁粉探傷試験に関連するJIS規格には、以下などがあります。
JIS Z 2320-1
非破壊試験−磁粉探傷試験−第1部:一般通則
JIS Z 2320-2
非破壊試験−磁粉探傷試験−第2部:検出媒体
JIS Z 2320-3
非破壊試験−磁粉探傷試験−第3部:装置
JIS Z 2321
磁粉探傷用交流極間式磁化器
JIS Z 2323
非破壊試験―浸透探傷試験及び磁粉探傷試験―観察条件
JIS Z 2340
目視基準ゲージを用いた浸透探傷試験及び磁粉探傷試験の目視観察条件の確認方法
(※5)
ねじりコイルばねとは、主として、ねじりモーメントを受けるコイルばねのことです(以下の参考図、付図31〜33 参照)。
付図31 コイルばね(3200)、ねじりコイルばね(3230)、円筒コイルばね(3241)、自由角度(5524)
付図31 コイルばね(3200)、ねじりコイルばね(3230)、円筒コイルばね(3241)、自由角度(5524)
付図32 コイルばね(3200)、ねじりコイルばね(3230)、2本線ねじりコイルばね(3231)、円筒コイルばね(3241)
付図33 コイルばね(3200)、ねじりコイルばね(3230)、重ね巻きねじりコイルばね(3232)、円筒コイルばね(3241)、角ばね(3273)
(※6)
トーションバーとは、ねじりを利用する棒状のばねのことです(以下の参考図 付図50 参照)。
付図50 トーションバー(3500)、トーションバー端部(4410)
(※7)
ばね座金とは、ばね作用を利用して、緩み止めをさせる座金の総称です(以下の参考図 付図4〜8 及び 付図59 参照)。
付図4 ファスナばね(2100)、ばね座金(2120)
付図5 ファスナばね(2100)、ばね座金(2120)、波形ばね座金(2121)
付図6 ファスナばね(2100)、ばね座金(2120)、波形座金(2122)
付図7 ファスナばね(2100)、ばね座金(2120)、波形座金(2122)
付図8 歯付き座金-内歯形(2124)、ファスナばね(2100)、ばね座金(2120)
付図8 歯付き座金-外歯形(2124)、ファスナばね(2100)、ばね座金(2120)
付図8 歯付き座金-皿形(2124)、ファスナばね(2100)、ばね座金(2120)
付図8 歯付き座金-内外歯形(2124)、ファスナばね(2100)、ばね座金(2120)
付図59 ばね座金(2120)、皿ばね座金(2123)、皿ばね(3600)、円盤ばね(3850)
また、ばね座金(バネ座金)については、以下のJIS規格があります。
JIS B 1251
ばね座金
この規格では、バネ作用をもつ以下の4種類の座金について規定されています。
a)一般用のボルト・小ねじ・ナットなどに使用する鋼製、ステンレス鋼製及びりん青銅製ばね座金。
b)一般用のボルト・小ねじ・ナット・六角穴付きボルトなどに使用する鋼製皿ばね座金。
c)一般用のボルト・小ねじ・ナットなどに使用する鋼製及びりん青銅製歯付き座金。
d)一般用のボルト・小ねじ・ナットなどに使用する鋼製、ステンレス鋼製及びりん青銅製波形ばね座金。
ばね座金(バネ座金)、波形ばね座金(波形バネ座金)、皿ばね座金(皿バネ座金)及び 歯付き座金 の略号は、それぞれ以下です。
・ばね座金(バネ座金):SW
・波形ばね座金(波形バネ座金):WW
・皿ばね座金(皿バネ座金):CW
・歯付き座金:TW